映像「きよこのくら」

「きよこのくら」がイタリアの歴史ある短編映画祭                69th Montecatini International Short Film Festivalの               インターナショナルコンペティション ドキュメンタリー部門でノミネートされました

予告編


        蔵の解体と記録映画の撮影がスタートしました。


残せるものなら遺したかった清子の蔵です。

2017年、桜が咲くのを待たず姿を消してしまう蔵に、守れなかった私たちの苦さを添えて

映像作家「中村智道」が挑みます。

                 瓦礫と埃の中で撮影中の中村監督

清子は、熊山では農婦の部分だけを表に出して生きることで

折り合いをつけて来たためか近くの人は近すぎて、自治体でさえその偉業に気付かず、

長い間その生家は放置されたままでした。

母屋もさることながら、蔵は母屋にもたれ掛かっております。

清子の生活と詩作を支えた蔵です。残そうと誰もが思いました。

岡山の人でさえ清子を知らない人は多く、個人が頭を下げて寄付を募っても

大きなことをする額には届きませんでした。

母屋の修繕を残したままで、土台から手を入れなければならない状態の蔵を

呆然と見上げ悲しむ時期を経て解体を決めました。

解体の費用は、永瀬清子現代詩賞を設け、その詩誌を手売りすることで用意しました。

 

壊せば二度と蘇らない蔵を、せめて素人ではない人の手で映像に残こし

そのことで広く清子を知っていただくきっかけになるよう行動して行こうと考えています。



映像 「きよこのくら」

解体してゆく蔵の映像にアニメーションや

清子と交流のあった方々のインタビューを織り交ぜた

今までにない映像作品で永瀬清子の魅力を中村智道が表現します。

 

             監督:中村智道(生家の庭にて)

中村智道-ナカムラトモミチ

岡山県赤磐市在住の映像作家・美術家

2004年ごろから、独学でアニメーションの制作を始める。

主に自然界を観察した結果得られる生命や魂の流転や心の深層近年では

新自由主義やグローバリズムによって失われつつある魂等を題材に作品を制作している。

 

2007年に初のアニメーション作品「ぼくのまち」を発表後

バンクーバー国際映画祭(カナダ)等世界各地の映画祭等で発表される。

2009年に2作目の「蟻」を発表、オーバーハウゼン国際短編映画祭(ドイツ)をはじめ、ポンピドゥーセンター(フランス)ソフィア王妃芸術センター(スペイン)等でも発表される。2015年に「天使モドキ」を発表。タンペレ映画祭(フィンランド)をはじめ、世界各地の映画祭で上映される。同年、岡山県の事業、湯原温泉AIRの作家として選抜され、不特定多数の他者の目線によって個人が支配される世界を表現した美術作品「スピリッツ零三」を発表。 2016年にはグローバル資本がもたらす大広告社会の中で、個を失った人々が、自ら奴隷化していく超階級社会を表現した「マウス画伯」展を開催している。

 


ー 清子の詩を二階堂和美が朗読し坂本弘道の音が包みます ー


                    音楽:坂本弘道(蔵の中で音源の収録)

坂本弘道-サカモトヒロミチ

電動工具でチェロから火花を出す演奏に代表される奇想と

切なく甘美な楽想が共存する、

特異な存在感を放つパフォーマー、作曲家。

ボーダーレスに展開する多種多彩なセッションも特徴的。

 

2008年ソロ公演では演奏中にチェロを燃やすパフォーマンスを敢行した。
「パスカルズ」などのバンド活動、早川義夫、イマイアキノブ、友川カズキ、遠藤ミチロウ、UA、川上未映子、荒井良二、白崎映美、酒井俊など、共演・サポート多数。

寺十吾、天野天街の演出作品をはじめ、コクーン歌舞伎「盟三五大切」

「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~ KERAバージョン」

流山児事務所「地球空洞説」「マクベス」、シスカンパニー「グッドバイ」

「草枕」「遊侠・沓掛時次郎」、ジャグリング&音楽集団「ながめくらしつ」

アニメーション映画「緑子」(監督:黒坂圭太)など

近年は舞台や映像作品の音楽を数多く手がける。

音楽ドキュメンタリー映画「We Don't Care About Music Anyway」

(2011年公開/監督:セドリック・デュピール & ガスパール・クエンツ)出演。

調布市せんがわ劇場「JAZZ ART せんがわ」プロデューサー。


                             詩の朗読:二階堂和美

二階堂和美-ニカイドウカズミ

シンガーソングライター。浄土真宗本願寺派僧侶でもある。広島県大竹市在住。

スタジオジブリ映画『かぐや姫の物語』(高畑勲監督)の主題歌「いのちの記憶」作詞作曲歌唱したことで音楽ファンのみならず広く知られるところとなる。

 

2015年には、RCC中国放送の“被爆70年プロジェクト”のテーマソングとして

「伝える花」を発表。最新作は22人編成のビッグバンド、Gentle Forest Jazz Bandとの共作『GOTTA-NI』(2016年)。ジャンルにとらわれない音楽性と、優しくも力強い歌声で、国内外から幅広く支持されている。

歌唱も「サントリーやさしい麦茶」「サッポロ一番」「日産マーチ」「資生堂インテグレイト」その他多数。

 

現在、中国新聞「洗心」欄でエッセイ「「負うて抱えて」連載中。