「行列毛虫は」            短章集3 「焰に薪を」思潮社

 

 

     行列毛虫は、ファーブルの見ている時、

     植木鉢のふちを七十時間もめぐり歩き、

     決して その列を はみだす事はできなかった。

 

     いかなる昆虫も自分の習性を批判したり、

     まして それを修正することはできない。

             

     人間は他の昆虫を嗤う事のできる唯一の昆虫であり、

     又その条件を変えたり善用する事も可能である。

 

     しかし どうしても最後に残る その自分自身の行列は、食生活は、

     帰巣は、常に修正しにくい運命として あわれに残る。

 

                                          ★ 嗤う ー わらう