ナ―シッサスの唄
i 小さな井戸
卑弥呼よ卑弥呼
古い小さな井戸
汲まなかったら朽ちてしまう小さな井戸
何十年も汲みつづけたので
どうやら今も飲めるのです。
羊歯が石垣にしげり
底の方で小さい空が紺色にうつっている
でも今もおいしい水が飲みたくて
朝夕汲みつづける小さな井戸
まだ枯れずにいる
愚かな私が縄と桶で相かわらず汲んでいれば
底に映っている いとしの姿
又しずくが消す私の姿